2011年04月13日

震災 心のケア5 「自分を癒す時間を持つ」

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震災以来、生活が大きく変化した方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
一時的だった方もいらっしゃるでしょうし、また、これからの生活がどうなっていくのか見通しがつかず、不安を抱えている方もいらっしゃることと思います。

人の話、ネットや、テレビなどから、間接的にでも、日本の今の現状を見聞きし、被災された方を想うあまり、気持ちが沈んでいる方もいらっしゃると思います。

度重なる余震に、理屈抜きで恐怖を感じて神経が過敏になっている方もいらっしゃるかと思います。

今は、誰もが、多かれ少なかれ不安を抱えていて当然の時期だと思います。

そんな状況で、被災されていない方の中には、「元気な時は元気でいよう。今は自分達ががんばる時で、被災地の人はがんばらなくてもいい」とおっしゃる方もいます。

いろいろな考え方がありますが、私も、似たような考えを持っています。


震災直後、被害は大きくなかったものの、動揺しました。
そして、今、自分が何をするべきかと、考えました。

災害直後は、生命救助が最優先の時期で、まだ「心のケア」を受ける段階ではないのです。
体制が整わない、といよりも、被害を受けた方々の状態が、ある種、特別の状態で、ケアを受ける段階にない、ということです。
そして、続くガソリン不足、交通機関のマヒのため、私はしばらくカウンセリングの仕事はなく、家にいる日々が続きました。

その日々をどのように送るべきなのか、と考えたのです。


私の出した答えは、人より先に、自分の心のケアをすること、でした。

いつか、心のケアをする立場になる時が来る。その時には、しっかりと支援ができるよう、自分が元気になっていなければならない、と思ったのです。



いろいろと、立場は違うと思いますが、もしも心を癒す段階に来ていて、生活の状況がそれを許すのでしたら、どうか、自分で自分を癒す時間を持つことに意識を向けていただきたいと思います。

つらいこと、不安なことを、仕事や作業をすることで紛らすことはできます。人のために役に立つことをすることで一時でも充足感を得られることもあると思います。

でも、そのこととはまた別に、自分のためだけの時間を、少しずつ生活に取り入れ、時にはふと立ち止まって何かに夢中になる時間があってもいいのではないかと思います。

すでに、被災地にはいろいろな得意分野をお持ちの方が訪れている場所もあるようです。

例えば、スポーツや遊びや音楽といったものが、心を癒してくれているかもしれません。

誰かに癒されたり、皆で何かの活動をすることもよいことだと思います。


同時に、セルフケアということで、自分ひとりで何かをすることもいいのではないかと思います。
どんなものかは、いろいろ浮かびますが――、今回は一人でできる癒しのひとつとして、「絵を描くこと」をお勧めしたいと思います。

もちろん、好き嫌いがあるので、ちょっとでも興味があるようでしたら。


子ども達は、紙と画材を用意すると、わりとさっと取り掛かれるようですが、大人の方はどうでしょう。

子どもの頃は好きだった「絵を描く」という時間を、随分持たずに生活してきた方も多いのではないでしょうか。

そんな方に、久しぶりに絵を描く方法を紹介します。

私としては、「らくがき帳」がお勧めです。さあ、絵を描くぞ!と立派な用紙に向うより、なんとなく、ぺらぺらしていて、何枚も重なっているらくがき帳は、かなりハードルを低く感じます。
スーパーやホームセンターや100円ショップなどで売っています。

らくがき帳が手に入らなかったら、手元にある白い紙、なんでもよいです。

久しぶりに何かを描こうとする時には、ウォーミングアップをするといいようです。

鉛筆でも色鉛筆でもボールペンでも手近にある筆記具で、まずは、横に一本線を引きます。

続けてもう一本、また一本、5本か10本くらい、ただ横に線を引きます。

今度は縦線。同じように何本か引いてみます。

手が、段々思い出してきます。昔の絵を描いていた頃の感覚を。

今度は斜め線。右上から下に。

今度は下から上に。

丸、三角、四角……。

そうやって、慣らしていくと、多分、得意な線と、なんとなく難しく感じる線や形があることに気づくかもしれません。

そんな線や形でページが埋まると、大分手が筆記具や紙に馴染んできます。

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もし、手元に色えんぴつやクレヨンがあったら、色をつけてみるのもいいと思います。

何も考えず、なんとなく手が吸い寄せられた色を手にとって、四角や丸の中を塗ってみます。

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それをただ続けていくと……、段々に、手が「これを描きたい」なんて、動き出すかもしれません。

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ここまで来るのに、5分もかからないと思います。

思い出したら、あとは手の赴くままに。
気持ちの向くままに。





私は、絵が好きで、絵を描くことが好きで、絵を描きたいと思い続けてきましたが、毎日の忙しさに取り紛れ、何年も絵を描くことができませんでした。
そうしているうちに、描こうとしても、何を描けばいいのか、まったくわからなく、思うように絵が描けなくなっていました。

でも、上のようにしながら、寝る前の数十分時間を取るようになったのが、地震が起きる約1カ月前でした。

そして、「人より先に心を元気にするために」選んだ方法が、絵を描くことでした。
予定のない時間は、多い時には1日に10時間も、もくもくと描いていました。

続きます。
posted by サトウマリコ at 23:57| Comment(0) | 震災 心のケア
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